小説に書けなかった自伝

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本日もレビュー行きます。

新田次郎著 「小説に書けなかった自伝」です。

「戦いだ、戦いだ」

そう呟きながら書斎に向かう新田次郎氏は、
もともと専業作家だった訳ではなく、
中央気象台に働きながら、小説を書き、
いわば二足のわらじの生活を長年続けていたのは
本書を読むまで知らなかったです。

奥さんの藤原ていさんも
「流れる星は生きている」
がベストセラーになった小説家。

数学者でエッセイストでもあり、
「国家の品格」を著した
藤原正彦さんは、新田次郎氏の次男で、
娘の藤原咲子さんも
「父への恋文」「父への詫び状」
などの著作があり、
作家一族ともいうべき家族構成です。

安月給の生活苦から、
奥さんのベストセラーにも触発されて
初めはアルバイトの気持ちで
作品を書いていた新田氏。


知名度が上がり、執筆依頼が増えると、
本業との兼業に苦心。

売れれば売れたで、
山岳小説家とのレッテル。

原稿用紙を毎日3枚書くペースが、
年々増えて、毎日10枚ペースになる年も。


「原稿用紙でたかだか3枚じゃないか」

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
これを毎日続けるのは、結構な労力で
つらい作業だと思います。

新田氏は小説を書くにあたって

1.資料の蒐集
2.解読、整理
3.小説構成表
4.執筆

の順序を決めて制作に取りかかっているところは、
ただやみくもに書き始めるのではなく、

「いつまでに原稿用紙何枚の作品を書き上げるには、
どの工程をいつまでに済ませておくべき必要があるのか。
それには一日何枚執筆しておく必要があるのか」

こういった段取りが俯瞰できるので、
仕事をする上でも、参考になります。

執筆作業の前段階である、
段取りの準備という意識付けが
大事になってきます。

44歳で作家デビューし、
54歳からようやく専業作家となった
新田氏のデビューは他の作家と比べても
遅咲きですが、
それでも「八甲田死の彷徨」や
「武田信玄」などの作品を残し
新田氏の死後も読み継がれている作家です。


小説家と聞けば芸術肌で、
作品を書くときは勢いで
1日に何枚も執筆したかと思えば、
筆が乗らなければ書かない日が続く、
と言うイメージがありました。

実際にはそのような作家さんもいると思いますが、
作品を制作する上で、段取りとペース
そして最も価値があると思ったのが

「毎日書く」

の重要性を
感じた本書です。

興味のある方は読んでみてください。









小説に書けなかった自伝 (新潮文庫)
新潮社
2012-05-28
新田 次郎

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