バガボンド35巻「重要な巻になりそう」

みなさん、ご訪問ありがとうございます。

待ちに待った井上雄彦さんの
「バガボンド 35巻」が発売されました。

佐々木小次郎の小倉入りから
武蔵が伊織と出会うまでの34巻には
途中休載のブランクがあって、
その影響からか、
漫画の雰囲気が、ブランク前と後で
流れが切れてしまったような感じがしました。


しかし、今回の35巻は休載もなく、
話の流れも安定しております。

35巻は、剣豪との迫力ある対戦はほぼ皆無なので、
それを期待するなら、この巻は尻すぼみになるかもしれません。

しかし、この35巻が今後の展開において
もっと言うなら、「バガボンド」が最終回に
向かう過程の中で重要な
位置づけになる巻ではないかと言う印象を受けました。


父を病で失い、一人になってしまった少年・伊織と共に暮らし始めた武蔵は、
伊織の父が残した土地を耕し始めます。

井上さんは、原作である吉川版「宮本武蔵」にあった、
武蔵が荒れ地を開墾するエピソードを、
当初は描く予定にしていなかったそうです。

しかし、このエピソードを入れたのは大正解だと思います。

度重なる水害で畑を流されながらも、
武蔵は抗いながら荒れ地を開墾し続けます。


「バガボンド 24巻」で、
武蔵と小次郎は、細い木の棒で対戦し合い、
それに物足らなくなったのか、小次郎が刀を抜くしぐさを見せます。

辺りはすっかり夕闇に包まれ、我に返った小次郎は抜刀をせず、
武蔵×小次郎の真剣勝負には至りませんでしたが、
武蔵が

「おおよそどっちが斬られるかは分かっていたけどな……」

と呟きます。

この時武蔵は、自分が斬られると思っていたのか、
それとも小次郎が斬られると思っていたのか、
その答えが35巻で判明します。


巌流島の合戦の時の武蔵のは
ドラマなどでは、髪を茶筅結いにし
たすき掛けの姿ですが、その格好が一瞬この巻で
垣間見えたりします。

そして今回、特に印象に残ったのが、
井上さんの描く絵の変化です。

以前と同じく、井上さんはペンではなく
筆で絵を描かれているようですが、
35巻は筆のタッチが柔らかい。

それこそ、作中で武蔵が幾度となく自分に言い聞かせるように
流れに身を任せるように絵を描いているように見受けられます。


「バガボンド29巻」で沢庵が武蔵に説いた言葉。

   それぞれの生きる道は、
   天によって完璧に決められていて
   それでいて自由だ。


この言葉の本質に至るのも35巻。

武蔵が吉岡衆との決闘で負傷した足が回復していく過程も
リアルに表現しているので、
休載の原因にもなった井上さんの体調不良が
なにがしか回復にむかっていて、
それが作中にも反映されているのかな、と深読みしたりします。

井上さんの中でも、かなり何か悟ったものがあるのではないでしょうか?

この「バガボンド 35巻」は奥が深いです。


バガボンド(35) (モーニング KC)
講談社
2013-04-23
井上 雄彦

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