レビュー 「ローマ法王に米を食べさせた男」

みなさん、ご訪問ありがとうございます。

本日紹介する本は、今月より始まったTBSドラマ
「ナポレオンの村」
の原案になった高野誠鮮さん著
「ローマ法王に米を食べさせた男」です。

ドラマの内容は、村長も村人も諦めた限界集落を
唐沢寿明さん演じるスーパー公務員が村を再生していく物語です。

ドラマでは、神楽村と呼ばれる架空の村を舞台にしていますが、
本書は石川県羽咋市の神子原地区と呼ばれる集落で起きた
実話をもとに書かれています。

著者の高野誠鮮さんは日蓮宗僧侶で、科学ジャーナリスト、放送作家を経て
羽咋市役所の臨時職員になった異色の経歴を持った方です。

高野さんは当初は羽咋市教育委員会生涯学習課にいましたが、
都度都度上司と衝突し、ついには役所内では下の下の
農林水産課に飛ばされてしまいます。

そこで目にしたのが、羽咋市の神子原地区。
そこは人口が激減し、65歳以上の人間が半数以上の限界集落。
人口を維持するには危機的状況にあった集落でした。

しかも神子原地区は、その殆んどが農業を生業にしていましたが、
平均年収がなんと87万円で、若者のなり手もいない八方ふさがりの集落です。

そこで集落の再生プロジェクトに任命された高野さんが、
色々なアイデアを出し、周りの人を巻き込んで奇跡の再生を成し遂げる、
読み物としても面白く、痛快な実話です。


村人達の年収が87万円の現実を目の当たりにした高野さんは、
今まで役所は何故対策を立ててこなかったのか、
集落の危機的状況に衝撃を受けます。

そこでまず高野さんが考えたのが農家の収入を上げる事。

生産者が自分達で管理販売する従来の流通を変える事。

農作物のブランド化。

雇用の創出。

若者の流入。


このような地方創生となると、大がかりな予算が組み込まれるのかと思いきや、
なんとついた予算は60万円!!

 予算がないから出来なかった。
 上司が「ノー」と言ったから出来なかった。

などの言い訳をせず、高野さんは不退転の決意で臨みます。

限界集落活性化の為に出された改革も、保守的な村人たちに
拒否されたり、怒鳴られたりされながらも、アイデアを出し、
賛同してくれる人を巻き込んでその輪を広げていったりと、
高野さんの立案力と行動力には脱帽します。


愛媛県と茨城県で成功している直売所を村人を連れて視察し、
自分達も出来るのではないか、と自信をつけさせる。

棚田のオーナー制度を設け、何とイギリス領事官がオーナーに名乗りをあげ、
それが宣伝効果になって知名度が上がる。

学生達を農家に泊まらせる、烏帽子親農家制度や
援農合宿で若者と交流し、町おこしに発展させる。


神子原地区で作る米は、実は全国の美味しいお米ベスト10の第3位に
選ばれる程の品質の良い米である事が分かり、
ならば、と高野さんは天皇皇后両陛下の御用達米にすれば宣伝効果大で
ブランド力が上がる、と早速行動にでます。

しかし、両陛下が召し上がる米は「献穀田」からの米と決まっているので、
御用達米の案はとん挫してしまいます。


ならば天皇陛下が駄目ならローマ法王だ、と本書のタイトル通り、
ローマ法王に神子原の米を食べてもらうことにしたのです。

そして更にブランド力を上げる為に米を入れる商品の袋の文字を
書道家の吉川壽一先生に書いてもらいます。

吉川壽一先生とは、エルメスのスカーフのデザインもした事のある
高名な書道家のようです。
しかも予算がないから、高野さんが直談判して、見事引き受けてもらいます。

とにかく読んでいてワクワクします。

アイデアと情熱と行動で、こんなにも変化って起きるんだと感動します。

  会議はやらない。企画書は作らない。上司には事後報告。
  反対意見は、知恵を使って丸め込む。
  本当に「役に立つ」のが役人です。


  いまだに、モットーとして考えていることは、可能性の無視は最大の悪策である、です。
  何もしないで「出来ない」と言う人が多いのですが、
  結局は人の努力によって解決できることがほとんどです。
  たとえ少しずつでも出来ることを積み上げていけば、大きなことになる。
  1%でも可能性があれば、とにかくやってみようということだけを考えて、今日も働いています。


高野さんの言葉です。

ドラマも始まりましたが、原案の本書も素晴らしい内容です。

まだまだ本書では集落再生の様々なアイデアや行動があるので
興味のある方は読んでみて下さい。








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